自嘲気味に笑い、“空”を見上げた。
「言ったらキリが無いが要は死ぬ気は更々無いがという事で、お前の心配は無用だから仕事してろというわけだ」
「……わ、分かりました」
少し呆気に取られているウイルだが返事はし、普段の生真面目な面を見せる。
そしてリオンは笑みを向けた。
「ありがとう、彼女を信じてくれて。ジョブスにも礼を言っといてくれ」
「……はい」
変わらないウイルの表情だが緊張が消えた様に見える。憑きモノが落ちたとも言えるだろう。
そんな彼は深々と頭を下げた。
「此方こそありがとうございます、リオン様。地上は我々にお任せください」
「ああ、頼んだぞ」
恐らく再会出来るのは全てが落ち着いてから、コレが今生の別れになる可能性もある。
だがそうはならないと微笑を残し少年は、始祖竜へと向かう。
「スタン! 油を売ってないで、さっさと行くぞ!」
「おう!」
得たのは生きる為の力。
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bkm
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