内心を打ち明ける事なんて殆どしないせいか、彼は少々緊張している節が見える。
そして打ち明けられた内心に、リオンは問う。
「お前、彼女を止められなかった事を悔いているのか?」
「…………」
普段ならすぐに返答がある筈だが、今回はそれは無い。つまり肯定という事だろう。
止められなかった事実に重なり、望んだ裏切りではないのではないかという考えをもってしまい更に彼は苦しんでいるのだ。
だからリオンは告げた。
「……真実は僕にも分からない。だが考えはお前と同じだ……きっと何か理由がある筈だと思った。今までの天上軍との戦いで望みは確信に変わりつつあるが、やはり僕は真実が知りたいと思う」
自分と同じ考えの者が居るというのはやはり安心出来ると少年は思う。
その者達に報いる為の意思を伝えた。
「彼女が繋いでくれた命だ、簡単に捨てたりはしない……真実を知った上で、僕は生き続けてみせる。それが彼女に出来る贖罪なんて、自分勝手な思想を含んでいるがな」
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bkm
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