船上が不自然な静けさに包まれた瞬間、船で休んでいた海鳥達が一斉に飛び立つ。

 直後大きな波が起き、一番大きなそれの中から飛行竜に似たモノが現れた。


「な、何だ!?」

《慌てるな、コレは海竜、飛行竜の海版だと思えばいい》

《私達の呼び掛けに答えて、クレメンテが送って来たのね》

《コレに乗れば、ラディスロウに行けますよ。
 ただ、今はどうなっているか分かりませんから、万が一の事を考えて準備や戦力はしっかりしておいた方が良いですね》


 船員達が驚きと何やら感動に興奮している中でソーディアン達の説明を受け、マスターは勿論、セシルとマリーもラディスロウへ向かう事に決まる。船は屈強な船員達が居るので大丈夫だろう。

 皆が準備を進める中リオンは、海竜を見上げていたフィリアに告げた。


「フィリア、お前は僕達と共に来い。僕達が居ない間に小舟で逃げられても困るしな」

「リオンっ」

「スタンさん、良いのです、当然の判断だと思いますわ。
 リオンさん、同行させていただきます」


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bkm

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