躍起になるチェルシーだが、今はそれどころではない。
《な……なっ……!?》
あのディムロスが言葉を失っている。仕方ないという以前に軍人の鑑の様な彼だからこそ、この状況は地獄に近いだろう。
だが、アトワイトは笑っていた。
《きっとハロルドね、困ったものだわ》
「アンタは落ち着き過ぎでしょ」
《あら、ルーティだって口元が綻んでいるわよ?》
「あらやだ」
口元を押さえるルーティだが、まだ眼が笑っている。
一方スタンはディムロスの心配をしていた。
「大丈夫か? ディムロス」
《……さっき見た事は忘れろ》
「え? ……あー……まあ、恥ずかしいよな、うん」
流石にスタンも気付く男の心境。暫くすればディムロスは立ち直るだろうが、些か心配ではある。
他のソーディアン達が生暖かく見守っていると、フィリアから新たな爆弾が落とされた。
「あら、他にもデータがありますね……“クレメンテ親父ギャグ大全”に“シャルティエのネガティブ日記”……“イクティノスのノロケ発言集”……?」
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bkm
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