無垢な明るさはリオンに向けられる。


「リオンはどうだった?」

「えっ……」


 何時もならば適当に話を切るなり何なりするが、今回は出来なかった。理由は簡単、油断していたのだ。

 一瞬とはいえ狼狽えてしまい、はぐらかすのは大きな不自然を生む。どうしたらいいだろうと考えて数十秒、答えたのはシャルティエ。


《な、なかなかの強敵だったよ、流石僕だよね》

「へー、やっぱりオリジナルって凄いんだな」


 分かっていた事だが、本当に彼は疑う事を知らない様だ。当然ディムロスは察しているだろう、シャルティエという“人物”を知っているのだから。

 そんな穏やかな時間は流れ特に何も異変は起きず、強化は成功だと結論を出せる頃だった。


「あら……コレは……?」


 端末を調べていたフィリアが首を傾げ、皆の注目を集めた。


「フィリア、どうしたんだ?」

「スタンさん……その、よく分からないデータがあって……」


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bkm

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