場が落ち着いた所でマスター達はソーディアンの調子を確認する。
《ふむ、今まで感じた事の無い感覚だな……》
「そうだな、握った感じが前より手に馴染む気がする」
《ルーティ、ちょっと気分が高揚してるんじゃない?》
「そんな事無いわよ。……まあ、何か沸き上がる気がしなくもないけど」
《今なら何でも出来そうですよ! ね、坊っちゃん!》
「否定はしないがな……あまり騒ぐと足元掬われるぞ」
《年寄りもまだまだ活躍出来そうじゃな、若い者には負けんぞい》
「私も、若輩者ながら全力を尽くしますわ」
《確かにこれなら負ける気がしないな……どうだ、ウッドロウ》
「私も同じだ、この不思議な感覚は言葉では表しきれないな」
表現が難しい不思議な感覚をマスターとソーディアン、双方が感じていた。それは恐らく試練を乗り越えた証、マスター達の表情に自然と笑みが降りる。
そして同時に、得た力の危険性も理解した。
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