「ある方って?」
スタンが問うと、ディムロスは想定していた質問に一呼吸置いてから答える。
《我々と同じソーディアンだ、名はクレメンテという。
マスターについては追々考えるとしよう》
「ふーん……で、そのクレメンテは何処に居るのよ」
ルーティの質問に答えたのは、アトワイトだった。
《海の底、丁度この船の真下辺りね。
そこにはラディスロウという昔の輸送艦があって、彼はその中に居るの》
彼女の説明にマスター及び、セシルからの説明を聞いたマスター以外の者達が驚きの声を上げる。
その中でただ一人、セシルだけは内心別の驚き方をしていたが。
「海の底かァ……。でもそこまでどうやって行くんだ? 泳いでいくのは流石に……」
《無論、行く方法はある。
全員、ソーディアンを海に掲げろ!》
ディムロスの指示に従い、マスター達はソーディアンを海に向かい掲げた。
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bkm
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