「世界の為というより……敵討ちというか、なんというか……自分でもよく分からないが、大衆の為じゃないのは確かだ。個人的な感情で、僕はミクトランを討つ……僕が出来るのはそれだけだから」
「そっか……でも充分だと思うよ、強い信念が無ければ命を賭けるなんて出来ないから」
シャルティエは何処か安心した様に笑う。
「だから君は大丈夫だよ、僕の言葉じゃちょっと説得力無いかもしれないけどね」
「……そうかもな」
肯定すると彼は分かりやすく落ち込んだ。だがソーディアンに宥められた事ですぐに立ち直り、腰を上げ少年に手を差し出す。
「君達らしく頑張って、他人の真似したって滑稽なだけだから」
「経験済みなんだな、お前」
手を取り立ち上がったリオンが微笑むと、シャルティエも笑顔を見せた。
「そろそろ元の場所に戻った方が良いかもね……君達に会えて良かったよ」
《ホント、自分を見つめ直せた気分だよ》
シャルティエ“達”の声は明るい。
リオンは心強さを感じた。
「ありがとう、シャルティエ」
prev next
bkm
[back]