終わりの無い術攻撃、リオンは距離を取ったままダメージを貰わない様にシャルティエを常に視界に入れて動く。その動きは体力の消耗により鈍るどころか、少しずつ反応が過になっていた。

 それは恐らくマスターとソーディアン間の干渉率が上がっているのだろうが、それを相手にするシャルティエも調子を取り戻していると言ってもいいのか威力、範囲、詠唱時間、どれもレベルが上がっている。


「逃げてばかりじゃ勝てないんじゃないの!?」


 彼も少年達の勝利を願う立場だが、手を抜くわけにもいかない。だから全力で彼等に自分を乗り越えてもらいたかった。


「ストーンウォール!!」


 少年の頭上に召喚され落ちる巨大な岩壁、だが彼は避けなかった。岩壁は砕け、砂埃が立ち込め視界を奪う。


「……僕が勝つなんて事は……」


 望んでいない結果、嫌な予感がシャルティエの胸に湧く。

 だがその考えは間違いだとすぐに気付いた。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -