《坊っちゃん! 3歩下がって!》
流石同一人物といった所か。剣の指示に従い動くと、シャルティエの攻撃がかわせる。
しかし向こうもそれは考慮しているだろう、やや無理な体勢から袈裟斬りを行う。不意打ちに近いその刃を剣で受け流し、一度距離を取る。
シャルティエは追わず、その場で呼吸を整えた。
「やっぱり僕が不利になるね、手の内知られてるし」
「なら、膝をついたらどうだ」
「こういう戦いで自分から負けを認めるというのもね……」
再び晶力が彼に集まる。
「何か、空気読めない男みたいで嫌だなァ」
空気が大きく揺れ、リオンは走る為に身体の力を抜いた。
「ブラックホール!!」
短い詠唱であるにも関わらず過重力空間の範囲は広く、威力も落ちてない。
この場所の特殊性もあるかもしれないが、それは間違いなくソーディアンの真の力に近いと避けたリオンは気付く。
《千年前より威力が上がってる……!》
「晶術勝負では分が悪いか……」
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bkm
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