彼は剣を構えた。


「羨ましいよ、そっちの僕が」

《そうだろう? だから坊っちゃんは負けないよ、僕のマスターなんだから》

「普段以上に勝気だな、シャル」


 長い時を共に過ごしてきた剣を構え、少年は青年に不適な笑みを向ける。


「降参するなら今の内だが」

「流石に、年下に頭を下げるのは辛いかな」


 晶力が“人”であるシャルティエの周りに集まり、リオンの足下で具現する。


「グランドダッシャー!!」


 吹き上がる破砕の力、リオンはシャルティエとの距離を摘める事で回避する。

 挑むのは白兵戦、同じ剣がぶつかり激しい音を響かせた。


「ちょっと、腕力低め?」

「……、うるさい」


 分かりきっている弱点の指摘に軽く悪態をつき、速さで勝負をする。

 速度のある流れる様な剣技をシャルティエは的確に捌き、カウンターで急所を狙う。その行為に躊躇いは無く、彼なりの責任感が感じられた。


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bkm

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