宣言するリオンに、シャルティエは軽く笑う。
「羨ましい、僕もそんな強気な言葉を吐ける男になりたかった」
諦めが見て取れる笑み。
「ホント意味が分からなかったよ、どうして僕なんか地上の未来を背負うソーディアンマスターに選ばれたのか……強そうな人は他にも居たのに」
「殴りたくなる性格だな」
「自覚はしてるよ、よく周りを苛つかせる」
でも、と彼は続けた。
「勝ちたいという気持ちは確かだ、いくら僕でもあんな世界で生きていくなんて嫌だから……なのに僕が障害になるなんて、おかしい話だね」
「何もおかしい事は無い、過去を乗り越えて未来へ行く……当たり前の行為だ」
「凄いね、君は……そっちの僕は幸せそうだね」
問うと、剣は笑う。
《まあ正直言っちゃうと、戦争時代より幸せだね。僕の嫌な部分は見ないでいいし、マスターである坊っちゃんは素晴らしい人だし》
「坊っちゃんか……相当だね」
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bkm
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