静かな空気、片膝を付いた状態で眼を開けると不思議な空間が広がっていた。
明かりが無いのに明るく、見渡す限り何も無い景色が続いている。
《坊っちゃん、大丈夫ですか》
手の中にある愛剣の問いに彼は頷き立ち上がる。
「……此処は……?」
《多分、意識の中ってヤツですかね、よく分からないですけど》
「そうか……」
ゆっくり、リオンは前に進む。
「……シャル」
《はい》
「僕を、信じてくれるか?」
《坊っちゃんが僕を信じてくれる限り、僕は坊っちゃんの剣で在り続けます》
笑みを溢し、足を止めた。
視線の先に居るのは、銀色の髪の青年。
「……シャルティエ」
「君が、“今”のソーディアンマスターなんだ」
シャルティエと呼ばれた青年には、リオンが持つ剣と同じ物が握られている。
「若いね、なのに僕より強そうに見える」
「見えるじゃない、僕はお前を越える」
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bkm
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