静かな甲板に、シャルティエがそれこそ遠慮がちに間に入る。


《あの、セシル、この辺りで船を止めてくれない?》

「え、どうしてだい?」

《実は神の眼の奪還にあたって、味方を増やそうって事になってさ》

「味方……、うん、分かった。リオン、待ってて」


 手を離し、彼女は船長の下へ急ぎ走って行く。

 温もりの残る手をリオンが見つめていると、ソーディアン達の指示か、船内に居た皆が甲板にやって来た。


「あ、リオン、セシルは?」

「……船を止めに行った」


 そこで船は減速し止まり、セシルが船長と共に戻って来る。


《皆集まったな。セシル、マスター以外の者達への通訳を頼みたい。神の眼等については除いてな》

「分かった」


 セシルが頷き、皆の方に身体を向けた所でディムロスの話は始まった。


《神の眼が関わっている以上、此方の戦力は多い方が良い。そこで、ある方の力を借りようと思う》



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