少しだけ肩の力を抜けた気がしたリオンは仲間達を見る。皆の表情からあまり緊張感は感じられない。
そこでふと思う。
「今のソーディアンマスターで1番年下なのは僕なんだよな……」
《……僕やっぱり軍人は無理ですよ、裏方の方が良いです》
「かもしれんな」
特に宥める事はせず、その時が来るのを待つ。
その最中、スタンとディムロスが静かに意見をぶつけ合い始める。
「こういう時こそ気楽に考えた方が良いんだって、難しく考えると逆に集中出来なくなるだろ」
《それは分かっている。だがお前はもう少し思慮深くあるべきだと言っているんだ、お前の爆発力を生かす為にもな》
「そんな事言ったってなー……考え事すると動きが鈍るし」
《それは重々承知だ、しかし直感だけに頼っていては駄目だ》
諭すディムロスは普段よりも穏やかでありながら、何処か厳しさも感じられる。これから決戦へ向かう為に命を賭ける故だろうか。
prev next
bkm
[back]