自動で開いた扉の先にも通路は続いている。進むと時折緩くカーブをしている箇所もあるのだが、途中に扉や他へ続く様な箇所は無い。


「……もうひたすら研究所まで行きましょうなのね」

《機密情報の塊だから監視しやすい様に……というのは建前で、単純に資材が少なかったからなのよね、シェルターに出来たのが奇跡なくらい。一応侵入者を閉じ込める為に何十にもシャッターがあるんだけど、一度も使わなかったわ》

「それは……良かったわね」

《ええ本当に、シャッターなんて形だけで、その気になればぶち破れちゃうもの》

「…………現実なんてそんなモンよね」


 素晴らしい技術があっても、それを形にする為の資材が無ければ意味が無い。ルーティは改めて地上軍が勝ったのは奇跡に近いモノなのだと理解する。

 そこで何故かふと疑問が湧きスタンに質問をした。


「そういやアンタさ、あんまり故郷の心配とかしてないわよね?」


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bkm

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