コングマンも参加し組まれていく足場を、彼等はウィルと共に研究所の位置を確認しつつ比較的軽い道具や食事等を持ち進んだ。隆起の激しい場所を避け進む故に時間は掛かっているが、怪我や体力の消耗等も無く順調に目的地へと近づいていく。

 その途中、スタンが感慨深そうに言った。


「それにしてもホント凄いよな、千年前の物が動くんだからさ」

《それはレンズの恩恵と言っても良いだろうな。レンズのエネルギー保存効率はかなりのモノであり、構造的本能とでも言うべきか周囲の無機物の劣化を抑え己の一部とする作用もある。有機物が相手だと過剰にそれは働き、レンズの特性上それに“意思”があれば一層被害は大きくなるがな》

《一度だけ、人間を媒介にしたレンズ兵器の案が出た事はあったのよ。当然すぐに撤回されたけれどね》

「じゃあ、ソーディアンが作られた理由の本質って“無機物かつ意思を持つモノ”を媒介にする為って事ね。ソーディアン作ったハロルドっていうのは、普通の人間と頭の構造がまるっきり違ったのねきっと」


 ルーティの関心にアトワイトは笑う。それが何処と無く苦笑に感じるのは気のせいなのだろうか。


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