此処から西はまだ手付かずで非常に地面が酷く隆起しており、とてもではないがそのまま進めそうにない。
リオンがウィルに伝えると、彼は少し考え込み始めた。
「そうですね……少し迂回しつつ進みましょう、体力の温存を考えるとその方が良いと思います」
「無理に直進しようとすると余計に体力を消耗するか……お前の案に賛成しよう、整地を頼む」
「はっ」
直ぐ様ウィルは行動し、兵達は一斉に指示通りの行動を開始する。綿密な計算と手早い作業により、リオンの想像以上に速く道が出来上がっていく。
正直この様な現場を目の当たりにした事は無かった彼は、思わず心内を言葉にした。
「凄いな……」
「うん、そうだな、じっちゃんが話して通りだよ」
そのじっちゃんの現役時代は何時の話だと言いたい所だが、悪い噂が無いとは言い切れない軍にも昔と変わらない所はあるのだろう。
少年は、青年の言葉に軽く頷いた。
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bkm
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