数十分後、付近のモンスター討伐の完了を受け彼等は始祖竜を降りた。

 広めに明かりが付けられたそこは地面が捲り上がり、木は根から倒れ、所々では地下水が湧いている。

 兵士達は整地作業を既に始めており、基礎的な足場はある程度出来上がっていた。


「余波でコレか……直撃で穴が空くのも頷けるな」

「でもこんな状況で研究所まで行けるのか?」


 スタンの心配は当然のモノだが、指揮を取るウィルがハッキリと答える。


「大丈夫です、土砂災害現場等での経験者ばかり揃えられていますので。多少時間は掛かりますが、絶対に道を作ってみせます」

「ひゅー、カッコイイー」


 土嚢を運ぶジョブスに茶化されても彼は無反応を装うが、目元は引きつっていた。

 多少私情を挟む彼等だが、その言葉を信用しても問題は無いだろう。


「じゃあ……ディムロス、研究所のある場所って分かるか?」

《ふむ……もう400メートル程西に行くといいだろうが……》


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bkm

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