少し大きな揺れの後、竜の機械音は小さくなった。そして兵士達は忙しなく動き始める。

 一気に緊張感に包まれた作戦現場、指揮官のウィルが皆の前に現れた。


「モンスター討伐が終了次第皆様にも降りていただき研究所へのルートを確認します。ただ現場はやはりベルクラントの余波で地盤も弱くなっておりますのでお気をつけください」

「研究所は地下だったな……大丈夫なのか?」


 リオンが問うとすぐにディムロスが答える。


《研究所は防火防音は勿論、衝撃に非常に強いシェルターの役割もある。ベルクラントの余波を受けたくらいでは支障は無いだろう。……直撃でなかったのは不幸中の幸いだな》


 直撃ならば危うい、と考えるまえにベルクラントの威力を考えればそれは当然だろう。


「ではそこまでルートの確保を急がなければな……ミクトランに感付かれる前に」


 誰も言わなかった事だが、誰もが考えていた事。リオンはそれを敢えて言葉にし緊張感を高める。


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bkm

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