「閣下、遅くなり申し訳ありません」

「いや、寧ろもう少しゆっくりしてほしかったかもしれんな」


 ドライデンの失笑に、リオンも苦笑いを返す。

 そしてコングマンとジョニーの間から解放されたらしいスタンは、少々重い空気の中で何やら準備体操をしていた。


「何をやっている」

「あ、いやさ、身体動かしてないと落ち着かなくてさ」

「……コングマンと一緒だな」


 コングマンは少し離れた所で、何故かジョニーに見守られながら腕立て伏せをしている。一体どういう流れであの状態になったのか気にはなるが、やはり巻き込まれたくないので眼が合う前に視線を逸らした。


「……ルーティはまだ来てないのか?」

「ん、さっき戻って来て“レンズ集めが好きな奴がこの街に居るからちょっと怒鳴り込んでくる”って」

「……忙しない女だな」

「凄いイキイキしてたんだよなァ……俺も行くって言ったんだけど、“こういうのは女に任せなさい”って滅茶苦茶イイ笑顔で言われた」


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bkm

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