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 謙遜するダリスだが、生体兵器の修復を行えるだけでもかなりの技術だろう。セインガルドはオベロン社がある為にレンズ技術の世界一を誇っている故に、純粋な国の科学力としては五分五分かもしれない。

 だが、今回その技術をただ御披露目に来たというわけでもない筈。ドライデンが理由を訊いた。


「して、何故セインガルドに?」

「はい、セインガルドにこの竜を活用してほしいとダーゼン閣下と話し合い決めたのです。正に絶望的な状況ですが、ウッドロウ王が諦めないという書簡を我々に送って来たからには我々だって諦めるわけにはいきません。なので前線基地とも言えるこの城に竜を持ってきたのです」

「何と……ファンダリアの好意には感謝しきれぬ」


 セインガルド王がウッドロウとダリスに頭を下げると、2人はやんわりとそれを固辞しウッドロウが言葉を返す。


「私も素晴らしい部下や民を持って幸せですよ。彼等の努力を無駄にしない為にも、この状況を打破する為に全力を尽くしましょう」

「うむ……その通りだな、それが王の役目だ」


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bkm

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