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 軽く笑うレイノルズの表情からは、司令と呼ぶ男への想いが感じ取れる。


「そこで千年前と今を比べてみよう。千年前ミクトランが神の眼の力で猛威を奮っていたけれど、マスターと同一人格の6本のソーディアンで戦況はひっくり返った。今は神の眼だけではなくミクトランの遺伝子情報が投影されたソーディアン・ベルセリオスが向こうにあり、対する此方は人格が同一ではないソーディアンが5本……言葉だけでも負けは見えてる」


 この圧倒的な戦力差を埋めるのが“ソーディアンの強化”なのだろう。

 しかしそのソーディアン達がこの状況でも隠していたのか、彼は語る。


「ソーディアンの強化を行えば、恐らくミクトランと戦力差を何とか出来る可能性が高い。ただこの強化方法がかなり危険でね、精神の同調というリミッターを外してマスターとソーディアン間の境を無くすんだ。身心への負担が大きいどころの話じゃないし、下手したら死ぬ……よくても廃人かな。ソーディアンだってタダじゃ済まない」


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bkm

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