「カルバレイスの人々は、外国に対して大きな敵対心を持っております。何があるか分かりませんので、皆様お気をつけくださいませ」
その言葉にスタンは首を傾げたが、皆がそれぞれ納得の意を示したのに気づき質問の口を閉ざす。
「それではな、チェリクに着いたらバルックの所に行くといい」
「皆様、行ってらっしゃいませ」
二人の言葉を受け取り、一行は船に乗り込んだ。
「船か……」
《坊っちゃん、リラックスリラックス》
「うるさい……」
錨が上がり、帆が張られ、船はカルバレイスへの海路に船首を向ける。
リオンは、シャルティエ以外に気付かれぬ様に溜息をついた。
「……カルバレイス、か」
船を見送るヒューゴとレンブラントを、何気無くセシルは見る。
執事はともかく、ヒューゴが口元に笑みを浮かべている事に気付いた。
「天上の民の末路……」
あの地から。
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