フィリアがクレメンテの言葉を伝えると、レイノルズは軽く頷いて尚強い意思を見せた。


「千年前の人間に出来て、今の人間に出来ないなんて事は立証されていない。それに僕は、このまま負けるなんて嫌だ。無理なんて言葉は要らない、何がなんでもレンズ砲は完成させる……絶対に」


 科学者としての意地と、人間としての意思、計算等ではない、ひたすら諦めないという精神が彼を動かしている。それを無下に否定する――出来る者は居ない。

 暫く口を閉ざしていたルーティが手を上げた。


「つまり、レンズを集めればいいわけでしょ? それならツテが無いわけじゃないかも」


 その話に真っ先に食い付いたのはやはりレイノルズ。


「ほ、本当かい?」

「ええ、レンズハンターで売り時見計らう為にレンズを結構溜め込んでる奴等を知ってるわ。ハンターじゃなくても、レンズの流通握ってる金持ちなんかも溜め込んでるでしょうね。
 アタシが知ってる以外にも、少しでもレンズハンターから集められれば塵も積もればってヤツになると思うわ」


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bkm

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