だが何を考えるにしても、行くべき道は1つ。始まりの場所、答えはきっとそこにあるのだろう。
何としても行かなくてはならない、天上王が居るあの場所に。
《何にしても、ミクトランは絶対に許せないですよ》
シャルティエが珍しく強い言葉を口にする。
《僕は千年前以上に許せないです。自分の為に家族を此処まで傷付けるなんて……人間じゃないですよ、あの男は》
「シャル……」
《うーん、使用人根性の賜ですね、やっぱり僕軍人向いてないのかなァ》
その言葉をスタン以外が同意し、言った本人は苦笑いで意見を受け止めた。
溜息を吐きリオンが切り出す。
「そろそろ戻るか……あまり部屋を空けていると閣下の小言が聞こえそうだ」
「あの将軍結構アンタの事心配してるっぽいしねェ、そうしましょ」
「うん、行くか」
3人は部屋を後にする。
少年の手は、壊れたレンズが握られていた。
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bkm
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