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 リオンはレンズを拾い上げ、それを見つめる。


「……彼女は、ミクトランを知っていたみたいだな。それに彼女の自我もあった様だ」


 そしてミクトランは間違いなく、彼女に何らかの情を持っている。2人の関係性、仮定も立てられない程に分からない。


「スタンのファインプレーだな、お前が言い出さなかったらコレは見れなかった」

「そうね、アンタの事見直してあげてもいいわ。……っていうか、セシルはやっぱり身体が悪かったのね」

「みたいだな……でも、ダイクロフトが復活したらってどういう事だろう」


 スタンの疑問に慎重な声のディムロスが答えた。


《恐らく神の眼で何かをする気なのだろう……彼女がどの様な状態か分からない以上は、具体的な所は分からないが》

《……親に見捨てられた……一体、彼女の過去に何があったんでしょうね……》


 アトワイトが言ったのは、あの海底洞窟での彼女の言葉。悲痛な想いが込められた訴え。


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bkm

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