気になるのも無理は無いかと思い、セシルも声を潜め答えた。


「かなり心配していたよ、暫く会えないしね」

「そうか……そんなに心配しなくても、僕は大丈夫なのに……」


 溜息混じりに呟いた後彼は、談笑しているスタン達に港への移動を命じる。

 一気に場に緊張が走り、それぞれの思いを抱えながら彼等は港へ向かった。


「準備は整ったようだな」


 港には船を用意したヒューゴと、彼の執事である初老の男性・レンブラントが居た。

 レンブラントは威圧的なヒューゴとは逆に、穏やかな雰囲気を一行に向けている。


「国王陛下は基、私も君達の活躍に期待している……無事、神の眼を取り戻して帰還したまえ。その為の援助を、私は惜しまん」


 嬉しい申し出なのだが、隠そうともしない威圧感のせいでスタンとセシル以外は素直に受け止める事が出来なかった。

 それを払拭するかの様に、レンブラントが彼等に雰囲気に相応しい穏やかな口調で忠告する。



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