そろそろ城に戻るかとリオンが告げようとした時、スタンが机の傍にしゃがみこんだ。
「どうしたの?」
「えっと……コレ、落ちてたんだよ」
立ち上がったスタンの手にあるのは小降りのレンズ。輝きが薄く、内蔵しているエネルギーが尽き掛けているのかもしれない。主の居ない家にずっと放置されていたのか、ただそれだけだと皆は思っていた矢先にレンズは一瞬強い輝きを見せた。
「うわっ」
眩しさについスタンがレンズを落とす。途端、レンズから放たれた淡い光が壁に当たり何かを映し出した。
「……コレは……!」
映っているのはカーテンが閉められたまだ陽のある時間帯、ヒューゴの姿をしたミクトランと、ベッドに横たわる彼女。
この現象に心当たりがあったアトワイトが説明する。
《レンズの中には稀に、特殊なエネルギーを持つ物があるわ。それはその空間で起きた出来事を映像と音声でレンズ内に記録するから、軍でも重宝されていたんだけど……コレは、ふとしたキッカケで保存されていた物の様ね》
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bkm
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