『今日は彼と子供の名前を考えたわ。彼が悩み過ぎて全然案を出さないから、女の子だったらルーティ、男の子だったらエミリオはどうかと提案したら流石クリスって誉められちゃった。もう、優柔不断なんだから。とにかく、女の子でも男の子でもいいから元気に産まれてきてほしいわ。子供の為ならへそくりを大盤振る舞いよっ』


 誰の日記かは、とっくに分かっていた。誰が誰を愛していたのか、簡単に理解出来た。

 こんな幸せを壊した男は、天上に居る。


《しかし、見事に2で割った姉弟だな》

《それを言ったら身も蓋もないじゃない》

《うーん……何だか、不思議な気分》


 ソーディアン達は声を潜めて話す。

 そのマスター達は日記を閉じ、少し妙な雰囲気で互いを見ていた。


「血筋、ってヤツだな、うん」

「うっさいわね……」

「ふん……」


 素っ気ない返事だが、その表情には何とも言えない感情が現れている。


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bkm

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