3人がやって来たのは、少年の家とも呼べる建物。誰も居らず、秘密裏に軍が調べていた為中は少し散らかっている様にも見える。
「建物が大きいから余計に静かに感じるわね。ウチのボロ孤児院とは正反対って感じ」
「ホント……前に来た時とは真逆だよな……凄い、寂しい気分になる」
「…………」
この屋敷はミクトランの隠れ蓑、それ以上でも以下でもない。嘘で作られた自分の家、何も戻ってはこない。
リオンは2人を連れ、殆ど入った事が無い父ではなかった男の部屋に入った。
「うわ……本が沢山だ……」
本だけではない、レンズ加工等に関する書類も山積みになっている。天上世界の復活、ただそれだけの為の準備が此処で行われていた。
それが、嘘の護られた現実。
「……益々、あの男が憎く思えてくるな」
「リオン……」
「僕の人生は一体何だったのか……考えても仕方ない事ばかり考えてしまう」
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bkm
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