「しかし見事に真っ暗闇よね、レンズの恐ろしさがつくづく分かるわ」
「人間は便利なモノに飛び付くからな……結果この様だが」
「でも元々は世界の為の技術だったんだろ? やっぱり悪いのは、それを悪用する奴だよ」
ソーディアンマスター達は何処と無くぎこちない。その理由は考えずとも分かる所。
「……リオン、腹減らないか?」
「べつに」
「そっか……でも食べないと力出ないぞ?」
「くどいぞ、単にお前が空腹なだけだろう」
指摘するとスタンは苦笑いをする。姉弟は深い溜息を吐いた。
「アンタって……ホント緊張感の無い奴ね」
「いやァ、それほどでも」
「誉めてないっての……」
この状況下でも、全く志が変わらない者が居る。その影響力は計り知れないだろう。
少年は不意に言った。
「2人共……少し付き合ってくれないか」
“今”だからこそ、その眼で見るべきだと。
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bkm
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