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「……ディムロスには悪いが、僕もスタンの意見に賛成だ」


 皆の視線が少年に集まる。


「あの男に此処までコケにされて黙っていられるものか。ヒューゴの身体に憑いた事から後悔させてやる……」

「リオン……」

「勘違いするなよスタン、僕は国だとか世界だとかそんな事はどうでもいいんだ。僕は、あの男に復讐したいだけ……世界を護るなどという大それた事を考えるのは、能天気で図々しくて馴れ馴れしいお前の様な奴がすればいい」

「……ああ!」


 笑顔を見せるスタン。対して不適な笑みを浮かべるリオンにルーティが言った。


「とても客員剣士の言葉とは思えないわねェ」

「この際客員剣士だの何だの考えても仕方ないだろう……それに、何にせよ僕は客員剣士の地位から降りる事になる」

「え……何でだ……?」


 スタンの問いにはウッドロウが答える。


「オベロン社の後始末、か」

「ああ……オベロン社は天上王の隠れ蓑、それをどうにかするのは他の誰でもない……僕の役目だ」


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bkm

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