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《それにしても、レイノルズさんが言っていた“まだ負けていない”というのは、どういう意味なのかしら……》

《単なる虚勢、という可能性が濃厚だがな……》


 アトワイトの呟きにイクティノスが現実を突き付ける。それに反論する余地は殆ど無い。

 だがスタンは、変わらない精神で言った。


「この状況を何とか出来るなら、俺は何だってやってやる……! このまま、ミクトランの好きになんてさせないからな……!」

《スタン……》

「ディムロス、俺はお前に何て言われようと諦めない。確かに俺、馬鹿で、ちゃんと考えないで突っ走るかもしれないけどさ……やっぱり諦めるなんて無理だ……小さい子が、泣かないで頑張ってるの見たら余計にさ」


 それはクレスタの事を言っているのだろうか、僅かにルーティが驚きの表情を見せたのをリオンは見る。

 そしてスタンの言葉から察するに、現実を見るディムロスとこの状況への考え方で衝突したのかもしれない。


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bkm

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