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「じゃあ、セシルもミクトランに乗っ取られてたって事か……?」


 スタンの言葉に、リオンは内心動揺していた。何となく予想していた事なのだが、やはり他者に言われると受け取り方が違う。

 だが、と続いたのはウッドロウ。


「彼女には己の自我があった様に見受けられた。レンブラント殿の話を信じれば、以前から彼女は己の立場に悩んでいた様だが……」

《身体の権利を奪う程の干渉ではなく、精神の抑圧に止まっていた……という事も考えられるか。ソーディアンとの適合率以上の干渉を掛けると、肉体が壊れる可能性があるからな。
 ミクトランが彼女に特別な情があるとしたら、それは避けるだろう……まあ、彼女が死んでも全く態度を変えない所が気になるが……》


 イクティノスの考察は納得出来る部分が多い。だがそれでも、彼女について分かる事は殆ど無い。

 真実を知る為にはミクトランが口を割る以外には無いが、それも絶望的な可能性だろう。


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bkm

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