「リオン様……!」
入ってきたのは2人の兵士。リオンは彼等を知っている。
「ウィル……ジョブス……」
「気がつかれたのですね……良かった……」
「ホント、世話になった人に死なれるのって堪えますからねェ」
ウィルは兎も角、ジョブスも心配だったのだろう、表情から安堵が見て取れた。
それを認めた上でリオンは問う。
「ウィル……今の状況は……」
「……恐らく、ご想像の通りかと」
「……そうか」
こんな時、どんな感情を表に出せば良いのだろうか。怒りか、憎しみか、それとも絶望か、今の彼にはどれも相応しくない。
“嘘”に囲まれていた人生、それを全く疑わなかった己、過去の自分が酷く小さく感じた。
「リオン、失礼するぞ」
現れた将軍ドライデンは何時もの厳しい表情ではなく、ハッキリとした疲れを見せている。
ウィルとジョブスが姿勢を正し、リオンも起き上がろうとしたがドライデンが止めた。
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bkm
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