「……!?」
剣が振り下ろされる直前、ミクトランの動きが止まった。それはあまりにも不自然で、ミクトラン自身も驚愕の表情を見せている。
「なっ……ぐっ……ヒュー、ゴ……貴様ァ……!?」
剣はゆっくりと降ろされ、足が後ろに動きルーティから離れていく。
一体何が起きているのかはすぐに分かった。
《ミク、トラン……コレ以上子供達に、手は出させん……!》
「おのれェ……まだ意識があったか……!」
聞こえたのは知った声、ミクトランの言葉から察するに本物のヒューゴのモノだろう。ディムロスが理由を口にする。
《ヒューゴ・ジルクリストの精神が、ベルセリオスを介してミクトランを抑えている……?》
恐らくそういう事なのだろう。天上王の身体は意思に反して若者達から離れていく。
《ルーティ、エミリオ……すまなかった……私がソーディアンを見つけたばかりに、お前達を辛い目に合わせてしまった……》
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bkm
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