一体、何が起きたのだろうか。一瞬の内にソーディアンマスター達は床に倒れ、ソーディアンの呼び掛けにも答えられない程に呼吸を乱していた。
とんでもない威力を持った何かしらの術攻撃、分かるのはそれだけ。
「地上の民にしてはよくやった方だと私は思うぞ? だが、遺伝子情報の一致だけではなく神の眼の加護も持つ私に、千年前以下の戦力で勝てると思ったか?」
《おのれ……ミクトラン……!》
「ククッ……ソーディアンの諸君には感謝せねばな。ベルセリオスに残留していた知識は実に有意義だった、流石は稀代の天才科学者といった所か」
何て楽しそうに笑うのか、天上王はそのまま姉弟を見た。
「ヒューゴはずっと子供の心配をしていたな。息子は勿論だが、娘が現れた時の奴は見物だった」
何がそんなにおかしいのか、理解出来ないし、したくもない。少年が抱くのは今までに感じた事の無い、強大な怒り。
それを抑えられる程、彼の心は強くはない。
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bkm
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