“上書き”、それは戦闘中に気付いた事だが男が語る内容はその上を行っている。
「ベルセリオスが行方不明になったのも計画の内だ。私が死ぬ直前に使った術は、攻撃系に見せ掛けた転移系……どうやら貴様等は、私が神の眼を破壊させたくないが為に無我夢中で術を使用したと思っていた様だがな?」
《……あの、一瞬の内に遺伝子情報を投射だと……!?》
信じられないのだろう、だがそれは目の前に存在している。それを否定する事は出来ない。出来るとしたら、現実逃避だけ。
「千年、私はカルバレイスの地で時が動くのを待った。そしてその時は向こうからやって来た、ヒューゴ・ジルクリストという名のしがない考古学者がな」
「……!?」
姉弟が眼を見開く、それを見た天上王はほくそ笑む。
「好都合な事に、奴にはソーディアンを扱う資質があった。だから私は奴に干渉し身体の権限を奪い、天上界復活の為の計画を進めた……幾つかハプニングはあったが、面白い程に順調に進んだものだ」
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bkm
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