「やっと気付いてくれたかね、ソーディアンの諸君」
皆の眼を眩ませた一瞬の閃光の後、そこに立っていたのはヒューゴではない。長い金髪に赤い眼の、不適な笑みがよく似合う男。
ディムロスがその名を口にした。
《ミクトラン……!》
マスター達に衝撃が走る。
“ミクトラン”、それは天地戦争の引金を引いた男の名。だがそれは千年前、それが何故目の前に立っているのだろうか。
そして先程まで戦っていたヒューゴという男は、一体何だったのか。
《そんな……!?》
《何故じゃ……何故奴が……!》
《天上王は、確かに千年前に……!》
《カーレルと相討ちになった筈だ……!》
動揺するソーディアン達の反応からして、目の前の男はミクトランに違いないのだろう。だからこそ分からない、千年前の人間が今此処に居るという事が。
余裕の笑みを見せる男は語った。
「簡単な話だ、私はカーレル・ベルセリオスと刺し違えた際にソーディアン・ベルセリオスに私の遺伝子情報を投射していたのだ」
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bkm
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