そしてそれを肯定するかの様にヒューゴは笑っている。


「どういう事だよ、“居ない”って……」

《言葉通りの意味だ、ベルセリオスは“居ない”……いや、“上書き”されたと言うべきか》


 その言葉で気付いたのはフィリアだった。


「まさか、自分の人格をソーディアンに……!?」

《恐らくそうじゃろうな……レンズエネルギーは感情にも反応する、故に千年前ソーディアンに己の人格を投影し感情を共鳴させる事でレンズの力を最大限引き出しておった》

「つまり、ヒューゴの力は人格の共鳴によるモノ……という事だな」


 何時も通りウッドロウは冷静だが僅かながら表情に焦りが見える。イクティノスはマスターの言葉を認めたが、未だ疑問を口にしていた。


《セシルが持っていたソーディアンの存在を考えれば間違いないだろうが……何だ、この違和感……》


 ソーディアンの性質をヒューゴが熟知している事は驚く所だが、今はイクティノスが言う“違和感”に思考は置かれる。


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bkm

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