退いたリオンの代わりにスタンが白兵戦を仕掛ける。
戦闘が始まったから今まで、ヒューゴには傷一つ付ける事すら出来ていない。
「シャープネス!」
ルーティの支援晶術により身体能力が向上し、その力を余す事無くディムロスを奮う。正面からだった為やはりベルセリオスによって防がれたが、僅かに目の前の男の足が押された。
「ふむ、流石かつての英雄のマスターだけの事はあるな」
《……貴様……!》
ディムロスは何かに気付いたのか、一度スタンを退かせる。それによって戦闘は中断となり、ソーディアンマスター達は息を整えた。
「どうしたんだよ、ディムロス……!」
《……あのソーディアンの中に、ベルセリオスは居ない……!》
マスターは勿論、ソーディアンも言葉を失う。
ソーディアンの中に“居ない”というのは、どういう事なのかマスター達は分からない。だがソーディアン達は理解したのか、絶句していた。
prev next
bkm
[back]