所詮彼女も駒に過ぎないのか、この男の意図が全く分からない。
「アンタ……自分の息子に随分と言い様じゃないの? とても人の親とは思えないわね」
「フフ、娘から説教をされる日が来るとはな」
「アンタに育てられた覚えは無いわ。よってアタシとアンタは他人同然よ」
「クク……その眼、あの女によく似ている」
あの女、ルーティに似た女というのは1人しか該当しないだろう。だから、姉弟は腰を落とし戦闘体勢を取る。
スタンが駄目元で言葉をぶつけた。
「ベルクラントを止めてください、ヒューゴさん……!」
男はそれを嘲笑った。
「その様な説得で止めようと思うならば、最初からダイクロフトを復活はさせんと思うがね」
「貴方は一体、何がしたいのですか……!?」
フィリアが問う。
「言わなかっただろうかな、天上世界の復活、それ以上は無い」
「理解出来ないな、地上を見下し、神にでもなったつもりか」
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bkm
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