《……まさか……アレは元々人間か……!?》
イクティノスの言葉に皆の足が止まった。
人間をモンスターに変える、その技術はバルックが証明している。しかし今目の前に現れたモンスター達がそれに該当すると限らない――のだが、全員納得していた。
動きの中は普通のモンスターには無い意味も無く頭を抱える等の不自然な動きが多く、走り方が非常にぎこちない。そして何より、狂っている眼が人間の様に見えて仕方ないのだ。
「工場で働いていた奴等か……フン、駒にする事で口封じとは一石二鳥というわけか」
「こんな……酷い……!」
確かにフィリアが言った通り、非人道的だろう。だが敵はそんな事を躊躇なくやってのける、恐ろしい者だという事を改めて証明する。
《怯むな! 奴等はもう人間に戻る事は叶わない、ならば此処で止めを刺してやるのがせめてもの救いだ!》
かつてのソーディアンチームのリーダーの鼓舞に、マスター達は己に言い聞かせ、走り出した。
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bkm
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