無事取り付けを終えクルーザーを出ると、機器を操作していたフィリアも作業が済んだのか一息ついていた。他の2人は無言で見張りを続けている。

 先刻の事に誰も触れないのは、敢えてなのか、ただ触れたくないだけなのか。


「フィリア君、そちらも無事に終わったようだな」

「はい、間違いなくダイクロフトへ向かいます。あとはあのバリアを破るだけ……ですね」


 そう、全ての準備が整い、あとは向かうだけ。皆緊張を隠せないのか、誰も口を開かない。

 聞こえた声はレイノルズのモノ。


『中和装置の取り付けが済んだみたいだね、あとは全部君達次第……こういう時、気の利いた事言えればいいんだけど、僕そういうの苦手なんだよね』


 笑い声にあまり力は無いが、しっかり心はある。今の彼等にはそれで充分だった。


『うーん……うん、とにかくさ、勝てばいいんだよ、そうすれば地上に光が戻る。難しい事を考えると反応とか鈍るしね』


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bkm

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