「船旅かー……俺、船乗るの初めてなんだよなァ」

「飛行竜には乗ってるのにね」

「いやァ……アハハ……」


 総帥邸の広間で、船出までの一時の休憩を取る一行。

 ディムロスが深い深い溜息をつく。


《しかし呆れた奴だな。士官の為に密航するとは、矛盾するにも程がある》

「でも、密航したから俺とお前は会えたんじゃないか」

《お前に会えずとも、我のマスター候補は既に居たらしいがな》

「う……」


 痛い所を突かれ言葉が詰まるスタン。

 彼等のやり取りにセシルがつい笑っていると、物珍しさから広間をじっくり観察していたフィリアが声を掛けてきた。


「セシルさん、何だか楽しそうですね、どうしたのですか?」

「ん? ああ……フィリアはソーディアンの声が聞こえないんだっけ」

「はい、だからソーディアンのお話を聞いた時は驚きましたわ。意思のある剣……過去の世界には一体どんな技術があったのか」



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bkm

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