眼を眩ます光のと耳をつんざく音の後、バリアが消滅した。黒煙が上がるその場所には、炎と機械の残骸だけが残っている。
ソーディアンマスター達は言葉を失っていた。
《……イレーヌの時と同じだな、仕込んだのは恐らくヒューゴだろう。バリアが無かったら巻き込まれていただろうな》
《こんなやり方……まるで“彼”みたいね……》
《味方すらも自らの野望の糧にする……ダイクロフトが完全に目覚めれば、今度こそ地上から安息がなくなるじゃろうな》
《でも、さっきの話……人間ってそんなガラッと変わるものなのかな……》
《単に奴が俺達を惑わせる為という確率もゼロではないが……流石に、それは無いと思いたいな》
あの話が嘘ならばとんでもない策士だろう。しかし嘘だと思うには幾らなんでも、とソーディアン達は考える。
マスター達は黒煙を見つめ続けていた。
「……終わらせるぞ、奴の野望を」
少年はそう、自分に言い聞かせた。
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bkm
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