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 彼は告げていく。


『彼女は止まらなかった。彼に言われるままに神の眼を奪い、皆様をあの工場へと誘いました。しかし計画には大きな変更点がありました。それはエミリオ様……貴方様を此方側に引き込む事です』

「それは、バルックも言っていたが……どういう事だ!?」


 逆の立場に居た可能性、少年が問うと彼は迷い無く答えた。


『当初の予定では、マリアンの拉致で貴方様を此方側に着かせる事になっておりました。そして彼女が正体を明かせば絶望し、ただの駒となるだろう、と。
 しかしながら彼女が進言したのです。エミリオ様は駒としては子供であり、責任感の強いマリアンに自害でもされたら逆上して此方の背中を狙う可能性が高いと。彼はそれを聞き入れ、エミリオ様を捨てる事に決めました。
 それからはほぼ計画通りに進みましたが、あの工場で彼女は死に、皆様は天上へやって来た。本来ならば、あの場所で皆様を彼女が始末する手筈でした』


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bkm

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