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 彼の話の中に出てくる男女が指すのは、皆が思っている事で恐らく間違いないだろう。


『2人はそれはそれは大層喜びました、周りが呆れる程に。しかしそれはすぐに崩れ去る事になりました。
 アレは、彼がカルバレイスへ調査に向かった時です。帰って来た彼は再び黙って家を空け、連絡を断ちました。すると彼は私に連絡を寄越しました、彼女には内密に会いたいと。私は彼に何があったのかを知る為に彼に会い……そして見せられたのです、レンズ加工に必要な設計図と、アトワイトと呼ばれるソーディアンを。
 一体何があったと私が訊く前に彼は言いました。離島に、誰にも知られぬ様に加工場を作れと。何故そんな事をという訊く私の言葉に答えず次に彼が見せたのは、眠っているイレーヌでした』


 やはり、とリオンは思った。1番、最悪な方法だとも。


『私はレンズの加工場を作り、彼は他のソーディアンを探し始めました。しかし彼女は、家庭では何時も通りの彼の異変に気付いたのでしょう……ある日、ルーティ様とソーディアンが消えました。ですが彼は特に興味は無かった様子でただ笑い、娘が居たという事実の抹消を始めました』


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bkm

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