10

 息を切らすスタンの隣でリオンが呼ぶと、機体の中から彼の声がした。


『お強いですな、私もまだまだ大丈夫だと思っていましたが……やはり若さには勝てぬ様で』

「くだらん話はいい! このバリアを退けろ!」

『それは坊っちゃんとはいえ聞くわけにはいかない命令で御座います。イレーヌが何を思い自ら命を経ったのか、今完全に理解しました故』

「何……?」


 レンブラントは語る。


『昔話を致しましょう。昔私は工学研究を進める一方で、考古学に身を費やすある学生に資金援助をしておりました。彼は成果こそなかなか上げられませんでしたが、内に秘める熱意は誰にも負けていなかった。夢を語る彼はそれはもう輝いていまして、歳自体一回りも離れていなかったので共にそれぞれの研究を支え合う仲になりました。
 ある時彼は同じ道を進む女性と出会い、そして結婚し、私もその頃には既にイレーヌが産まれ、私達は正に順風満帆でした。そして彼等の間に産まれた待望の子供が、ルーティ様なのです』

「え……?」


prev next

bkm

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -